2008 年 56 巻 1 号 p. 16-20
本校通信制課程においては,不登校経験者や心身上の理由から配慮を必要とする者が数百名を超えている。また,編転入学者は300名に上り,経済的な事情や戦争被害のため教育を受ける機会に恵まれなかった方も多い。生徒には,長い間学習の場から離れ,十分な達成経験を積む機会が無かったことから,自信の喪失傾向が強く見られ,それが学習や生活上の障害となっている。物理教育を,「創造的発見者を育てる」視点に立って,学習者が知識の系統的理解・発見法の習得・発見者との共感を得られる内容に転換して実践した結果,「自信がついた」と答えた者が80%に達し,「自信回復プログラム」として機能させる事が出来た。