2016 年 64 巻 2 号 p. 116-123
気柱にできている定常波は,眼には見えない。この定常波の存在を,実験と論理から生徒に確信させることを目指した教育実習の指導を紹介する。まず波動の導入から気柱の定常波までの授業の流れとそこでのねらいを示す。続いて,弦にできる定常波の特徴との類推から気柱の定常波の存在を推測し,その腹や節の位置を探す。さらに,管の端での音の反射について,議論をしながら実験を通して明らかにしていく。このようにして,生徒・教育実習生が,物理的な見方・考え方を学ぶ授業の実践例を報告する。