令和 4 年度高校 1 年生から始まった新学習指導要領の全教科・科目に共通の「知識・技能」,「思考・判断・表現」,「主体的に学習に取り組む態度」の観点別評価は運用途上で,高校の現場は未だに整理がついていない。最初の学習指導要領に記された物理科の指導上の注意と自発的学習態度を引き出す工夫を振り返り,授業とは何かを再認識したい。学習単元の始めに生徒実験を行うと,実験器具の操作過程で生徒自らが物理現象に気付き,規則性の発見を促して主体的な学びが引き出される。気付きの連鎖は物理概念の習得に有効で,定年退職に至る授業実践例を紹介する。