ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
原著
プロペタンホス20% MC剤の処理面の材料の違いによるチャバネゴキブリに対する効力持続性の差
川口 侑子牛頭 夕子田原 雄一郎
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2015 年 30 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

プロペタンホス20%MC剤希釈液のシェルターへの付着量は,タイル,ベニヤ板,コルクシートとアルミシート,プラスチックシートの順となった.80倍のベニヤ板への付着量は,0.45mg/100cm2で,基準散布量(80倍,50ml/m2)の36 %程度にとどまった.シェルターに付着したMC剤の粒子は,2ヵ月後まで破壊されなかった.感受性系統に対する薬剤の初期効力は,全ての材料で320倍まで有効であり,抵抗性系統に対しては80倍まで有効であった.各材料の感受性系統に対する効力持続性は,雌雄とも40倍では全ての材料で4ヵ月有効であった.80倍ではコルクシートを除き,雄で4ヵ月有効,雌でアルミシート,コルクシートを除き,4ヵ月有効であった.抵抗性系統の雄では,40倍のアルミシートで2ヵ月,タイル,ベニヤ板,プラスチックシートでは3ヵ月有効であった.しかし,雌ではベニヤ板以外での効力は不十分であった.80倍以上の希釈では,雌雄に対し十分な効力持続は得られなかった.プロペタンホス20%MC剤の付着性と効力持続性は,処理面の材料に大きく影響されることから,本剤の現場での使用に際しては,散布面の材料を考慮する必性が示された.

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© 2015 日本ペストロジー学会
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