ペストロジー
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米菓子「柿の種」と揚げピーナッツにおけるノシメマダラメイガPlodia interpunctellaの発育
宮ノ下 明大 今村 太郎古井 聡
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2016 年 31 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

ノシメマダラメイガ1齢幼虫を「柿の種」,「柿の種」破片,揚げピーナッツ,「柿の種」と揚げピーナッツの混合物,玄米で飼育し,その発育日数(幼虫投入から成虫羽化までの日数)と成虫羽化数を調べた.飼育条件は28°C·70%RH·16L8Dである.「柿の種」では最も発育日数が長く,成虫羽化率も低かった.「柿の種」破片では,破砕しない場合と比べ発育日数が短く,成虫羽化率も高かった.揚げピーナッツでは,「柿の種」やその破片よりも発育日数が短く,成虫羽化率が高かった.「柿の種」と揚げピーナッツの混合物では,揚げピーナッツ単独の場合の発育日数と有意差はなく,幼虫はピーナッツを主に加害すると考えられた.揚げピーナッツでの発育日数は玄米より10日程長かった.

玄米で発育した幼虫(14日齢)を,混合物を除く上記4種類の材料で飼育したところ,発育日数はいずれも短くなった.揚げピーナッツでは,玄米で発育した場合と差がなかった.若齢幼虫はピーナッツを利用しにくく,ある程度まで齢期が進むと利用しやすくなるのかもしれない.

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© 2016 日本ペストロジー学会
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