薄力小麦粉とビスケット,スパゲッティ,パン粉,乾うどん,乾そうめんの小麦製品,米粉と白玉粉,ビーフン,せんべいの米製品,および乾そばを飼料として給与した場合の,世界的貯榖害虫であるコクヌストモドキの幼虫の成育を,飼育実験によって調査した.その結果,次世代個体数は薄力小麦粉と米粉で多く,乾そばや乾うどんで少なかった.老齢幼虫(体長 6 mm以上)以後の発育段階にある個体数でも薄力小麦粉,米粉で多く,乾そうめん,乾うどん,せんべい,乾そばで少なかった.この原因として,小麦粉や米粉を加工する際に,成長に何らかの影響をおよぼす成分が入ったか,成長に必要な成分が除去された,もしくは変質した可能性や,飼料に含まれている塩分が抑制的に影響している可能性が示唆された.