ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
原著
精米工程の異なる米とぬか・米粉におけるガイマイツヅリガ幼虫の発育
中川 りき
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2022 年 37 巻 2 号 p. 63-67

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抄録

ガイマイツヅリガ幼虫の米における発育及び加害形態について調査するため,異なる精米工程の米穀粒(玄米,精白米,無洗米),ぬか,米粉を餌として本種幼虫を飼育した(25℃,55%RH,16L8D).発育期間は玄米で最も短く(51.2日),米粉で最も長くなり(171.5日),精白米,無洗米,ぬかの間に差はなかった.羽化率は,他の餌(80%以上)と比べて,米粉で特に低かった(53.3%).試験終了後の玄米を観察したところ,本種幼虫は米の胚芽・ぬか(特に胚芽)を選択的に加害していた.これらの結果から,米の胚芽・ぬか部分は,本種幼虫にとって比較的好適な餌となっている可能性が示唆された.

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© 2022 日本ペストロジー学会
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