2022 年 37 巻 2 号 p. 83-86
鳥類を対象とした実験において保定が用いられるが,保定のストレスによる影響については不明な点が多い.本研究では,ハシボソガラスCorvus coroneとハシブトガラスC. macrorhynchosの保定による生理的ストレスについて,心拍数の応答に基づき調べた.保定時のハシボソガラスとハシブトガラスの心拍数はそれぞれ312 bpmと387 bpmであり,その後,静止時心拍数(195 bpmと202 bpm)まで指数関数的に減少した.保定から静止時の水準に心拍数が低下するまでの時間はハシボソガラスで50分以内,ハシブトガラスで90分以内であった.