ペストロジー学会誌
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短報
チャバネゴキブリ難防除原因についての一考察―防除処理後の卵鞘からの孵化―
松谷 修市佐藤 和義小関 俊子
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1997 年 12 巻 1 号 p. 38-41

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抄録

難防除現場において殺虫施工後の死虫回収,死虫から得られた回収卵鞘の孵化試験を行った結果以下の知見が得られた.

1.殺虫処理後チャバネゴキブリの死虫を回収することによりゴキブリ指数5.9から1.0前後に抑制することができた.

2.回収卵鞘は温度26±1℃,湿度80~90%の条件で供試数全体の9.3%が孵化した.

3.回収後孵化に要する日数は最大17日と長期を有するものもあった.

4.孵化したチャバネゴキブリは,卵鞘に付着していた殺虫剤に関係なく生育した.

5.殺虫処理によって抱卵雌が死んでも,卵鞘によっては薬剤の付着にかかわらず孵化能力を保持していることが確認された.

6.殺虫後,抱卵雌及び卵鞘を回収することにより,生息数減少の一助となることが考えられた.

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© 1997 日本ペストロジー学会
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