2001 年 16 巻 1 号 p. 41-45
今回の結果より ,加熱処理においては煮沸だけでなく,75℃程度のマイルドな高温殺菌条件でも活性は失活すること,pH値が低いと思われる食品ほど早く失活すること,醤油や味噌のように塩分を含む食品中では比較的長期間カタラーゼ活性が持続すること,糖度の高い食品中では微生物の発生が押さえられながらもカタラーゼ活性が残ることが判明した.また,カビや微生物の発生する条件があれば,一度失活した虫体からも反応がみられる(微生物による)ことが判明した.カタラーゼ反応による混入時期の推定は,これらのような条件や虫の種類による違いを考慮しながらケースバイケースで判断する必要があると考えた.