財政研究
Online ISSN : 2436-3421
研究論文
環境税制改革の所得再分配効果と二重配当仮説
小林 航
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2005 年 1 巻 p. 213-226

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抄録

 本稿では,消費者部門に特化した簡易モデルを用いて,炭素税導入とともに他の税目を減税する税収中立的な環境税制改革の帰結を分析する。特に,社会保険料や労働所得税を減税対象とするケースにおいて2つ目の配当が正になること,および炭素税の逆進性と労働所得税の累進性からこのような環境税制改革は公平性を大きく損なうものの,正の不平等回避度のもとでも非環境的厚生が増加する可能性があること,などが示される。

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© 2005 日本財政学会
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