財政研究
Online ISSN : 2436-3421
研究論文
金利機能の正常化と財政危機
井手 英策
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2005 年 1 巻 p. 245-263

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抄録

 本稿では,量的緩和政策への転換が財政運営や日銀の政策選択に与えた影響について考察する。量的緩和は,バランスシートの毀損,為替介入の積極化と政府債務の増大,借換政策への日銀の動員など予期しえぬ政策の連鎖をもたらした。その結果,量的緩和からの転換という金融政策の「正常化」が,かえって財政の抱え込んだリスクを顕在化させかねない状況を作り出すこととなった点を論証する。

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© 2005 日本財政学会
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