静脈学
Online ISSN : 2186-5523
Print ISSN : 0915-7395
ISSN-L : 0915-7395
原著
下肢静脈瘤に対する定型的ストリッピング術と選択的ストリッピング術の比較検討
大住 幸司松本 賢治長崎 和仁村山 剛也田中 克典仲丸 誠北島 政樹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2001 年 12 巻 3 号 p. 271-275

詳細
抄録

最近5年4ヵ月間に経験された1次性伏在静脈系静脈瘤385例428肢について,定型的ストリッピング術施行群(ST群)と選択的ストリッピング術施行群(SST群)に分類し,治療成績を比較検討した術後合併症として知覚鈍麻などの知覚神経神経障害をST群にのみ認め,大伏在静脈系静脈瘤(long saphenous vein; LSV),小伏在静脈系静脈瘤(short saphenous vein; SSV)ともに11.1%で,計11.1%となり有意差を認めた(p<0.0001).その他に重篤な合併症は認めなかった.初期治癒率はST群,SST群ともに100%で有意差を認めなかった.最終治癒率に関してもST群, SST群ともに100%で有意差を認めなかった.また,治療期間はST群が67.5±58.3B, SST群が66.6±55.7日で有意差を認めなかった.再発率はST群3.5%, SST群0%で,ST群で有意に高かった.これらの結果を考慮すると,伏在静脈系静脈瘤に対しては,侵襲の少ない選択的ストリッピング術が,定型的ストリッピング術に比べ優れていると考えられる.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top