静脈学
Online ISSN : 2186-5523
Print ISSN : 0915-7395
ISSN-L : 0915-7395
総説
抗凝固剤ワルファリンによる皮膚壊死および静脈性四肢壊疽―急性動脈閉塞症の治療中に抗凝固剤による重大な副作用を起こした1例から学ぶ―
岸田 堅中辻 秀朗永井 義幸
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2007 年 18 巻 1 号 p. 13-19

詳細
抄録

へパリンおよびワルファリンは多くの分野で広く使用されている抗凝固剤である.それらを使用する際に,易出血など比較的頻度の高い副作用に関しては十分な注意が払われている.しかし,それ以外の副作用はあまり知られていないのが現状である.われわれは,担癌患者が急性動脈閉塞症の治療中に免疫の関与するヘパリン起因性血小板減少症を発症し,その急性期状態ではワルファリン皮膚壊死の危険因子であることを示した1例を経験した.これらの合併症は早期診断および治療をしなければ死に至ることもある.へパリン起因性血小板減少症については,これまで多くの書物で解説されているのでそれらを参考にしてもらうとし,今回,未だ病態に関しては解明されていないが臨床医が知識を深めるべきと思われるため,経ロワルファリン剤の副作用である静脈性四肢壊疽および皮膚壊死について概説する.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top