2007 年 18 巻 4 号 p. 227-229
冠動脈バイパス術(CABG)において,内視鏡下大伏在静脈(SVG)採取(ESVH)を129例に行った.SVGを採取した創は小さく,美容的に患者は満足していた.創合併症は皮下トンネル部の血腫を1.6%,リンパ漏を0.8%に認めたが創感染はなく,満足できるものであった.術後造影を行った症例におけるSVGの開存率は90.0%であり.ESVHを行った他の報告と比べ遜色はなかった.当院にて行った従来の開放採取におけるSVGの開存率(91.8%)と比較しても有意差はなかった.CABGにおいてESVHは低侵襲である一方,開存率も同等であり,有用な方法であると考える.