静脈学
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原著
下肢静脈瘤治療とQOL
杉本 郁夫太田 敬石橋 宏之岩田 博英川西 順山田 哲也只腰 雅夫肥田 典之佐藤 淑子清水 智子
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キーワード: 下肢静脈瘤, SF-36, QOL
ジャーナル オープンアクセス

2008 年 19 巻 4 号 p. 235-239

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抄録

下肢静脈瘤治療前後のQOL変化について検討した.一次性下肢静脈瘤95例を対象とし,CEAP臨床分類からC2,C3の59例を軽症群,C4a,C4b,C5,C6の36例を重症群とした.局所麻酔下結紮術を58例,全身麻酔下ストリッピング術を37例に行った.治療前,3カ月後,1年後にSF-36によるアンケート調査を行い,軽症群と重症群のQOLを比較した.治療前,3カ月後では2群間に差を認めなかった.重症群の1年後の身体日常役割機能,体の痛み,社会生活機能,精神日常役割機能,心の健康は,軽症群より有意に改善した.C2例の治療前の活力と心の健康についてみると,全身麻酔下ストリッピング手術が局所麻酔下結紮術より有意に低かったが,術後には差がなくなった.SF-36により,下肢静脈瘤治療後の身体的要素の評価のみならず,精神的要素を含めた患者のQOLを明らかにすることができた.

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