静脈学
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原著
静脈鬱滞性潰瘍に対するSEPS ± SVA手術成績と術式普及のための今後の課題
春田 直樹倉吉 学内田 一徳岡田 和郎新原 亮浅原 利正
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2008 年 19 巻 4 号 p. 223-227

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抄録

難治性下腿潰瘍の多くを占める静脈鬱滞性下腿潰瘍に対するSEPS手術の有用性に関して複数の施設より報告されてきたが,未だ本術式は保険収載されていない.そこでC6病変に対するわれわれの最新の手術成績を報告するとともに,SEPS手術普及のために今後解決すべき点に関し検討した.過去9年間にわれわれはSEPS手術を733肢に行い,術後出血や重篤な合併症は1例も経験しなかった.このうち静脈鬱滞性下腿潰瘍病変を伴った72肢での潰瘍治癒率は90.3%であり,充分満足のいく結果であった.しかし,わが国での医療費削減の流れからは直ぐに本術式が保険収載されるとは考え難い.今後は現在SEPS手術に取り組んでいる施設が,先進医療での認可を受け,一定条件を満たしたこれらの複数の施設の手術成績を比較発表し,本術式の普及を図ることが有用であろう.

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