静脈学
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総説
四肢静脈疾患,リンパ浮腫への圧迫療法における伸び硬度(stiffness)の意義
平井 正文岩田 博英宮崎 慶子小山 明男小南 幸哉
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2012 年 23 巻 1 号 p. 31-37

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抄録
弾性着衣や弾性包帯の四肢静脈疾患,リンパ浮腫への臨床応用では,圧迫圧と同様に伸び硬度も考慮するべきである.本文では,伸び硬度測定器を用いた弾性ストッキング,弾性包帯の単独使用あるいは種々の組み合わせ下における伸び硬度の測定結果を記載した.伸び硬度は,その組み合わせ方法─2枚の弾性ストッキング,弾性ストッキングの上に弾性包帯,2本の弾性包帯─によって変化するが,各組み合わせの中では,最初の圧迫圧が強く,また軽度伸縮性包帯を一番外側に用いたときに大きな伸び硬度が得られた.各組み合わせの伸び硬度を比較すると,2本の軽度伸縮性包帯を用いた組み合わせが最大の伸び硬度を示し,2枚の弾性ストッキングの重ね着が最も小さな伸び硬度であった.それゆえ,圧迫療法を組み合わせるときには,圧迫圧に加え伸び硬度も考慮し,それぞれの長所と短所を頭に入れて組み合わせ方法を選択するべきである.
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