2016 年 27 巻 3 号 p. 377-384
大伏在静脈逆流型下肢静脈瘤1338 肢を対象にH 群:高位結紮切除術単独181 肢,HL 群:H群手術+ 伏在静脈本幹液状硬化療法443 肢,HF 群:H 群手術+ 伏在静脈本幹フォーム硬化療法490 肢,ST 群:ストリッピング手術224 肢の長期成績を後方視的に比較検討した.膝上部伏在静脈直径8 mm 未満をH,HL,HF 群,8 mm 以上をST 群の適応とした.大腿部伏在静脈10 年閉塞率はH 群(25.5%),HL 群(20.1%),HF 群(67.4%),10 年再発率(CEAP C2 以上)はH 群(52.3%),HL 群(57.5%),HF 群(33.1%)であった.閉塞率,再発率ともにHF 群がH 群,HL 群より有意に良好であった.ST 群の10 年再発率(35.1%)はHF 群と同等であった.高位結紮術は本幹フォーム硬化療法併用で10 年伏在静脈閉塞率,再発率が改善し,直径8 mm 未満の伏在型下肢静脈瘤治療の選択肢になると考える.