静脈学
Online ISSN : 2186-5523
Print ISSN : 0915-7395
ISSN-L : 0915-7395
症例報告
内腸骨静脈から右心房まで伸展した静脈内平滑筋腫症に対する一期的手術例
橋山 直樹孟 真沖山 信阿賀 健一郎菅原 海益田 宗孝田邊 康宏
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2017 年 28 巻 1 号 p. 39-43

詳細
抄録

症例は47歳女性.検診で施行された超音波検査で下大静脈内に可動性のある腫瘤を指摘され,精査の結果,右内腸骨静脈から下大静脈の全長におよぶ腫瘤を認めた.血栓症を疑い抗凝固療法を施行したが腫瘤に変化はなく,腫瘍播種,肺塞栓症の可能性があるため,手術適応となった.術前検査では開腹術のみで腫瘤摘出術が可能と思われたが,執刀前の経食道超音波検査で,腫瘤の一部が右心房壁に付着していることが判明した.そのため体外循環を併用,オクルージョンカテーテルで塞栓を予防しつつ,開胸・開腹術により腫瘤を起始部の上殿静脈から一期的に全摘出した.病理診断は静脈内平滑筋腫症であった.術後経過は良好で2年後の現在再発を認めず,経過観察中である.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top