2020 年 31 巻 1 号 p. 15-20
【目的】静脈性潰瘍の治療方針はさまざまな議論がある.今回当施設で治療を行った一次性下肢静脈瘤のうちC6症例を検討しその有効性を検証した.【方法】2014年12月より2019年1月まで高周波を用いて治療した917症例のうち,有潰瘍例の17例を検討対象とした.男6例:女11例:平均年齢70.1歳.主な治療戦略は (1)下腿静脈瘤は不全穿通枝も含めて可及的にstab avulsion法で切除(2)潰瘍部は1日2回,シャワーで洗浄後,被覆材で半閉鎖(3)圧迫療法は潰瘍治癒まで継続【成績】C6で手術を施行した17例の平均手術時間49.1分,stab avulsion 12.9カ所.3例は6カ月以上びらんが残存するもステロイド外用で治癒した.潰瘍が治癒した17症例で手術から潰瘍治癒までに要した期間は中央値54日(13–365)【結論】高周波治療に加えて十分な瘤切除,湿潤療法と圧迫療法を行い,約2カ月で潰瘍治癒した.