静脈学
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症例報告
ケージ(椎体間癒合器具)による下大静脈狭窄に対し摘出術を施行した1例
手島 英一古賀 清和
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2022 年 33 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

後方経路腰椎椎間板固定術においてケージ(椎体間癒合器具)の前方脱転は非常に稀な合併症である.下大静脈狭窄の原因となったケージの摘出術を施行した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.患者は70歳代女性,腰椎変性辷り症に対して後方経路腰椎椎間板固定術とケージの挿入術が施行され,術中にケージの前方脱転を認めた.手術直後のCTにてケージは後腹膜腔に存在し,下大静脈を圧迫し高度狭窄の原因となっていたために摘出術の適応とした.脊椎手術の翌日に全身麻酔下に腹部正中切開にて摘出術を施行した.静脈造影にて下大静脈に血栓のないことを確認した後に,下大静脈と両側腸骨静脈をテーピングしケージの摘出を行った.術後経過は良好で摘出術後19日目に退院となった.

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