副伏在静脈瘤の報告は大伏在静脈瘤の治療後の再発に関連したものが多い.大伏在静脈瘤を伴わない副伏在静脈瘤単独の治療報告は限られ,ほとんど成人発症例である.先天性の副伏在静脈瘤と思われるまれな症例を報告する.症例:69歳女性.生後より左膝に腫瘤があったが自然に膨らみが軽減.18歳ころ某大学病院形成外科を受診.筋皮弁による治療を提案されたが希望せず,その後放置していた.治療を希望し当科を受診.左膝前方が陥没しており,その部位に一致した表在静脈瘤を認めた.超音波検査ならびに造影CT検査を施行.深部静脈や動脈の異常は認めず,外側副伏在静脈の弁不全を伴う静脈瘤と診断.左外側副伏在静脈の高周波による血管内焼灼術を行った.1カ月後に1%ポリドカスクレロールによるフォーム硬化療法を追加した.幼少期の詳細な経過が不明であるが,出生時からあった血管腫が成長とともに一部自然に退化縮小したまれな静脈瘤と考えられる.