2023 年 34 巻 1 号 p. 25-28
血管内レーザー焼灼術の新しい治療プロトコールを作成し,手術を施行した伏在型静脈瘤963例について報告する.波長1470 nmのBiolitec社製レーザー装置に,直径1.27 mmの細径ファイバーを接続し,伏在静脈および側枝静脈瘤を焼灼した.小伏在静脈あるいは膝上の大伏在静脈(GSV)は出力7 W(LEED 50–70 J/cm)で焼灼し,膝下GSVにも逆流を認める場合には同部を5 W(LEED 20–25 J/cm)で焼灼した.さらに側枝静脈瘤を5 W(LEED 30 J/cm)で焼灼した.GSV焼灼後の神経障害は認められず,瘤焼灼に伴う皮膚熱傷や神経障害も認めなかった.皮下出血やリンパ管損傷などの瘤切除に起因すると思われる有害事象の発生はなく,整容性にも優れた根治的治療が可能であった.静脈瘤の穿刺焼灼法はスタブアバルジョン法の弱点を補完する有益な代替手段になることが期待される.