下肢静脈瘤に対する超音波検査の重要性は明白であり,諸学会から適切な検査法が示されたが,検査には時間を要する.われわれは“血管径から逆流の有無を推定できないのか?”と考え,逆流評価の必要性を検討した.大伏在静脈の伏在大腿静脈接合部付近と,大腿中央付近で逆流の有無と血管径を測定した.血管径と静脈逆流関連症状の関係や,血管径と逆流の関係,血管径における逆流診断能と逆流陰性診断能を検討した.症状や逆流を有する場合,血管径は有意に太い結果であった.また,血管径は逆流診断には有用だが感度は100%ではなく,逆流陰性感度を100%とすると特異度が低かった.下肢静脈瘤の治療方針決定は,血管径測定だけでは決定できず,逆流評価が必要である.