当科では下肢静脈瘤本幹病変の加療後,逆流残存本幹や周辺病変に対しては硬化療法単独で加療して,低侵襲化を図ってきたので報告する.対象は2018年4月から2021年12月までの高周波焼灼術(RFA)治療患者298例とした.治療は本幹病変にはRFA, 周辺病変には側枝静脈瘤切除併施の代わりにフォーム硬化療法のみを行った.患者内訳はRFA治療患者298例(女性191例,平均年齢は67.3±0.7歳)とした.術後神経障害,血栓症などの合併症はなかった.硬化療法は256例(85.9%)で施行して,不要な症例は42例(14.1%)のみであった.下腿残存本幹逆流例は186例(62.4%)に認め,すべて硬化療法を行った.術後観察期間は20.9±0.7(0–44)カ月で,再発例は4例で認めた.RFA後には多数の残存病変があり,硬化療法の追加治療により低侵襲で合併症のない治療経過を得られた.
抄録全体を表示