2024 年 35 巻 3 号 p. 361-364
タバコ窩arteriovenous fistulaは,穿刺可能部位が広く得られること,steal現象が起きにくいことからバスキュラーアクセスの初回作成部位として有用である.タバコ窩arteriovenous fistulaに対するバスキュラーアクセスインターベンションの開存率に関する報告は少なく,今回われわれは調査を行った.当院でarteriovenous fistulaに対して初回バスキュラーアクセスインターベンションを行った151症例をタバコ窩arteriovenous fistula群(タバコ窩AVF群 N=25)と非タバコ窩arteriovenous fistula群(非タバコ窩AVF群 N=126)の二群に分け一年間の開存率について調査した.一年間の開存率はタバコ窩群64.0%,非タバコ窩群59.5%と有意差はなかった(P=0.68).タバコ窩arteriovenous fistulaに対してのバスキュラーアクセスインターベンションの開存率は他の部位と比べ有意差は認めなかった.