歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
台湾原住民の頭顔部, 歯列弓と口蓋の計測値による主成分分析
真鍋 義孝六反田 篤
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1988 年 30 巻 4 号 p. 423-430

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抄録

台湾原住民 (13-15歳) の男99名, 女79名を対象に, 5項目の頭顔部生体計測値と, 口腔内印象による石膏模型から5項目の歯列弓・口蓋の計測値を得た。これらをもとに主成分分析を行い, 頭顔部と歯列弓・口蓋を1つの複合体とみなした場合の基本的構成要因について検討した。分析の結果, 累積寄与率75%以上を示す4個の主成分が得られた。第1主成分は頭顔部と歯列弓・口蓋の全体的な大きさ, 第2主成分は歯列弓の長径, 第3主成分は口蓋幅高示数, 第4主成分は頭長幅示数に関する因子と解釈された。各主成分と計測項日との関連性からみると, 全体的大きさに対して, 歯列弓の幅径と頭顔部の諸径は密接な関連性をもつが, 歯列弓の長径と口蓋高は関連性が弱く, とくに歯列弓の長径は特異的な変動をもつ。さらに口蓋高と歯列弓の幅径の変動は相互に独立で, 口蓋幅高示数として特異的な変動をもつ。また同様に, 頭長と頭幅の変動も相互に独立で, 頭長幅示数として特異的な変動をもつことが示唆された。

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