2002 年 65 巻 4 号 p. 277-283
マルチチャンネルカメラを用いて3次元物体の分光画像を獲得し, これより物体のさまざまな反射パラメータを求める手法を紹介する.3次元物体表面の材質は非金属の不均質誘電体を仮定し, その反射特性を表す3次元光反射モデルとしてTorrance-Sparrowモデルを採用する.カメラシステムはモノクロCCDカメラとカラーフィルタからなる6色カメラである.次に一枚の分光画像から反射パラメータを推定するアルゴリズムを述べる.推定するパラメータは, 表面分光反射率と照明分光分布といった分光関数, 拡散対鏡面比の係数, さらに表面粗さという幾何学パラメータである.最後に, 塗装物体を用いた実験結果を示す.ここで記述した手法の妥当性を確認し, 推定した反射モデルを用いてコンピュータグラフィックスで画像を生成する.