陸水物理学会誌
Online ISSN : 2435-3043
短報
箱根山の火山活動と周辺河川・降水の水質について
堀内 雅生小寺 浩二
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2020 年 2 巻 1 号 p. 15-24

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抄録

火山地域を含む流域では,噴火による噴出物や湧水中の溶存成分の増減が,流域の水環境に影響を及ぼすことが考えられる。箱根山では2015年6月29日に大涌谷で噴火が発生し,噴火後,大涌沢や早川で強い濁りがみられた。このため,大涌沢や早川等の周辺河川や降水を継続して1~3か月ごとに採取し,溶存成分の変化を把握した。大涌沢では,噴火後に高ECが観測されたものの,その後,値は徐々に下がった。大涌沢の陰イオン中に含まれるCl-の割合を求めた結果,噴火直後は高かったものが1年後には低下する傾向がみられた。また,降水の水質組成には火山ガスの影響が認められ,主な噴気孔である大涌谷との距離が近い観測地点の降水ほど,溶存成分量が多いことが明確となった。

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© 2020 陸水物理学会
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