抄録
日本では高度成長期に全国で水質汚濁が問題となったが、法整備や排水処理施設の普及などにより、急速に水質が改善されてきた。しかし、現在でも都市への人口集中が進み、 郊外などで水質汚濁が激しい地域も残っている。行政によって1971年から継続されてきた「公共用水域の水環境調査」結果や、市民団体を中心に2004 年に始まった「身近な水環境の全 国一斉調査」といった全国規模の観測記録を中心に、日本の河川水質 の長期変動について検討してきたが、本稿では、「身近な水環境の一斉調査」の第17 回(2020 年)、18 回((2021 年)に加え、第19 回(2022 年)の法政大学
測定結果をあわせて考察する。