抄録
河川の水質は、流下する流域の状況により変化するため、河川水質を調べる際には流域の情報を考慮する必要がある。東京近郊の都市河川では、高度経済成長期に生活排水による汚濁が進行し、各地で問題化した。現在では下水道の整備等により多くの地域で改善したが、一部の地域では現在も課題が残る地域がある。同一規模の流域の水質を、流域特性を考慮に入れながら解析、比較することは、水質の違いの原因を明らかにし、対象流域の課題を見つけることにつながる。本研究では、東京近郊の大河川の支流2 河川(多摩川水系浅川と荒川水系市野川)の流域特性と水質の比較から、両河川の水質の違いが何に起因するものであるのか、また両河川の課題はなんであるかを明らかにすることを目的とする。