順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
原著
麦角アルカロイド (Ergot Alkaloids) による雌ネズミ偽妊娠中絶に対するカテコールアミンレセプター遮断剤の影響
陳 慶源
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 24 巻 2 号 p. 194-198

詳細
抄録
レセルピン (1mg/kg) を発情間期の雌ラットに注射して誘起した偽妊娠に対する, モノアミンオキシダーゼ阻害剤 (ナイアラマイド), L-DOPA及び麦角アルカロイドなどの影響を調べた. 偽妊娠3日目にナイアラマイド (250mg/kg), L-DOPA (250mg/kg) を注射した群では, 偽妊娠に対する影響は見られず, 偽妊娠は維持されたのに反して, 麦角アルカロイドであるエルゴコーニン (1mg/kg) およびエルゴクリプティン (1mg/kg) を同時期に処理された群では, 全例偽妊娠の中断が起こった. このエルゴコーニンによる偽妊娠中絶は, α-遮断剤, フェントールアミン (1mg/kg) やβ-遮断剤, プロプラノロール (1mg/kg) を同時に処理しても影響を受けなかつたが, ピモザイド (1mg/kg) では, エルゴコーニンの効果が抑制され, 偽妊娠状態が維持された. ピモザイドはドーパミン受容体遮断剤であると考えられるので, エルゴコーニンによる偽妊娠中絶には, ドーパミンの機序が関与していると考えられる.
著者関連情報
© 1978 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top