順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
原著
Vitamin Aおよび5-Fluorouracilの培養軟骨細胞に対する作用とラットでの奇形発生について
岩垂 正矩遠藤 和嘉子
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 25 巻 1 号 p. 36-43

詳細
抄録
過剰Vitamin A (V. A) あるいは5-fluorouracil (5-FU) を動物に投与すると, 種々の奇形が誘発されることが報告されている. 今回, われわれは, Sparague-Dawley系ラットの器官形成期の妊娠母体にV. A 50,000IU/body (ip), あるいは5FU 50rng/kg (P. o) を投与し, 外表奇形, および骨格奇形を有する胎仔を観察した. 特に, V. A投与では, 前肢・頭頂骨・肋骨・胸骨核などに集中する奇形が認められた. 一方, ニワトリ胎仔胸骨核軟骨細胞の初代培養を行ない, 培養細胞系でのV. A, および5FUの作用を検討した. 細胞培養後 (3×104 Cells/plate) 2日目の薬物添加では, 5FUの10-6M濃度ではコンドロイチン硫酸産生量に若干の抑制がみられた以外, 特に細胞増殖に影響することはなかった. しかし, V. Aでは, 1IU/mlの濃度で細胞増殖の抑制がみられ, かつ, 細胞は線維芽細胞様の形態に変化することが確認された.
著者関連情報
© 1979 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top