順天堂医学
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原著
高プロラクチン血症例の臨床的研究
--原因別分類, 下垂体機能および治療成績について--
福田 勝清田 明憲奥山 輝明古谷 博
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1985 年 31 巻 1 号 p. 92-100

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抄録

28例の高プロラクチン血症患者に対し原因別に分類し, 各々の下垂体機能に関し検討した. さらにBromocriptineによる治療効果についても検討し次の結果を得た. 1) 高プロラクチン血症患者は下垂体腫瘍群, 薬剤服用群および原因不明群の3群に大別された. 薬剤服用群が12例 (43%) と最も多かった. 2) 下垂体腫瘍群では, 血中PRL値が他群に比べ明らかに高値を示しまた血中FSH値も対照群に比べ有異に低値を示した. 3) 下垂体腫瘍群と原因不明群では, TRHに対するPRLの反応性が低下あるいは欠如していた. 4) 種々の下垂体への負荷試験の結果, 各群共, 下垂体機能はよく保持されていた. 5) 高プロラクチン血症例に対する治療成績は, 28例中14例に排卵が確認された. その内訳は, 下垂体腫瘍群9例中4例排卵, 3例分娩, 薬剤服用群12例中6例排卵, 1例分娩, 原因不明群7例中4例排卵, 2例妊娠中, 1例分娩であった.

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© 1985 順天堂医学会
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