順天堂医学
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漢方学術講演会
腰痛症に対する東洋医学的治療
町 俊夫
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キーワード: 漢方薬, 鍼治療, 東洋医学
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1985 年 31 巻 4 号 p. 575-578

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抄録
いわゆる腰痛症を主訴とする2症例に東洋医学的治療を行い, 有効であった. いずれの症例も整形外科的な診断をうけ, 西洋医学的な対症療法を行ったが著変がなかったため, 漢方薬及び鍼治療を加え, 時間をかけて生活指導・食事療法などの指導を行った結果, 日常生活に支障のない程度に改善した. 漢方薬としては今回の症例では, 疎経活血湯, 桂枝加求附湯, 防已黄耆湯を用いたが, 他に八味地黄丸, 桂枝苓苓丸, 苓羨求甘湯などを患者の『証』に応じて使いわけた. また鍼は三焦兪, 腎兪, 志室, 大腸兪, 次髎, 委中, 陽陵泉などを主に用いた. これら東洋医学的方法を従来からの西洋医学的対症療法に加えていくことにより, 治療の幅が拡がることから, 今後ともとり入れてよい治療法と考える.
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© 1985 順天堂医学会
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