抄録
肝硬変症患者にみられる血小板減少症の原因を検索する目的で, in vitroにおける患者骨髄巨核球系前駆細胞 (colony forming unit-megakaryocyte, CFU-meg) 由来の巨核球形成と, それにおよぼす患者末梢血単核球培養上清の影響について脾摘前後で検討した.
その結果, 肝硬変患者では巨核球系前駆細胞は十分保たれていること, 肝硬変患者末梢血リンパ球から得られた培養上清中の, 巨核球コロニー刺激因子活性が低下していること, そしてその低下に脾臓は関与しないことがわかった.