順天堂医学
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特集 癌性疼痛管理
放射線治療による癌性疼痛の除去
直居 豊片山 仁
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キーワード: 放射線治療, 癌性疼痛
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1992 年 38 巻 1 号 p. 30-36

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抄録

悪性腫瘍に対する姑息的放射線治療で最も多いのが癌性疼痛の除去である. 癌性疼痛には種々の原因があるが, 一般に放射線治療が適応になるのは腫瘍の増大に起因する痛みであり, 照射により腫瘍を縮小し周囲への圧迫を除去することで痛みの軽減が可能である. 腫瘍の容積を縮小させるには局所への照射のみで十分であり, 線量も30Gy程度と少なくて済む場合が多い. つまり病巣周囲の正常組織への放射線障害もほとんど心配なく, しかも非観血的に治療が行えるのが最大の長所といえる. 今日, 末期癌患者のquality of lifeが重要視されるなかで, 除痛目的の放射線治療がどの程度有用であるか紹介し, いくつかの症例を供覧して具体的治療法を述べる.

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© 1992 順天堂医学会
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