順天堂医学
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特集 めまい症例へのアプローチ
めまいとは?
水野 美邦
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1992 年 38 巻 3 号 p. 327-336

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抄録

めまいを主訴とする患者へのアプローチのしかたについて解説した. 主訴から回転性のめまい, 失神・平衡障害, その他のめまいにわけて鑑別診断・検査・治療を進めることの重要性を指摘した. 回転性のめまいの場合, 責任病巣は末梢, あるいは中枢の前庭神経系のどこかにあり, 失神の場合は心・循環器系に問題のあることが多い. 平衡障害の場合は運動失調・深部知覚障害など神経系に障害のあることが多い. その他のめまいの原因としては過去における前庭系疾患, 慢性の前庭系疾患, 眼疾患・頸椎疾患・神経症・過呼吸症候群など原因が多岐に及ぶことを述べた. 検査としては回転性めまいの場合, 頭部CT・前庭機能検査などが重要であり, 失神の場合は心電図・起立血圧試験・血液生化学・血糖などが重要である. その他のめまいの場合はどこに原因があるかまず確かめてから, 検査計画を立てることが重要である.

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© 1992 順天堂医学会
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