順天堂医学
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特集 在宅医療
在宅酸素療法
-その導入から現在までの歩み-
吉良 枝郎
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1993 年 39 巻 3 号 p. 291-300

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抄録

各種の有効な抗生物質の導入, 呼吸管理の進歩で, 昭和50年の前半頃より酸素吸入さえ出来れば入院することなく, 自宅で家族と, いやさらに社会に復帰することも可能な, 病状の落ち着いている慢性呼吸不全患者が増えてきた. この傾向と期を一にして, これら患者の治療に有用な, 患者でも操作できる安全かつ便利な酸素濃縮器も開発されてきた. 在宅医療の先駆けと言える在宅酸素療法の保険適応, わが国での普及はこれらの動きにマッチしたものである. 自験例を紹介しながらそのはじめからの歩み, そして厚生省特定疾患“呼吸不全”調査研究班の全国調査を通じての, 急速に普吸したわが国の在宅酸素療法の実態について紹介した.

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© 1993 順天堂医学会
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