抄録
1978年3月以来1994年6月までの16年間に, 寄生虫症の疑いで当教室に検査依頼のあった208例について分析した. 依頼検体の約半数は血清であり, 次いで虫体そのものが多数を占めた. これらの検体について種々の寄生虫学的検索を実施した結果, 109例 (52.4%) が寄生虫症と診断され, 寄生虫の種類は31種に及んだ. その主なものは赤痢アメーバ・肺吸虫・日本海裂頭条虫, およびアニサキス幼虫である. これらの寄生虫症の多くは食品を介して感染するもの, あるいは海外で感染し日本国内で発症するいわゆる輸入寄生虫症であり, このことはわが国における寄生虫症の変遷, および現代的特徴を反映するものと考えられた.