順天堂医学
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特集 女性の排尿障害
蓄尿と排尿の機構
藤田 和彦
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キーワード: 排尿, 尿禁制, 神経支配
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1996 年 41 巻 4 号 p. 414-420

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抄録
蓄尿時には, 平滑筋からなる膀胱の排尿筋は弛緩し, 膀胱底は平坦化し, 同時に横紋筋からなる外尿道括約筋は収縮する. 排尿時には逆に, 排尿筋は収縮し, 膀胱頚部はロート化し, 外尿道括約筋は弛緩する. 膀胱排尿筋は骨盤神経 (副交感神経) と下腹神経 (交感神経) の支配を受け, 外尿道括約筋は陰部神経 (体性神経) の支配を受ける. 橋の排尿中枢は, 蓄尿時と排尿時に排尿筋と外尿道括約筋の協調運動に重要な働きをしている. 神経・筋に異常がなくても膀胱・尿道が正しい位置に, 靭帯または周囲の筋群により, 支持固定されていないと尿失禁や排尿困難の原因になる.
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© 1996 順天堂医学会
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