順天堂医学
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特集 女性の排尿障害
尿失禁の臨床
花澤 喜三郎
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1996 年 41 巻 4 号 p. 421-427

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抄録
女性の尿失禁の頻度は男性に比べ高いが, これは尿道の禁制機構が男性に比べ弱いためである. また, 女性の尿失禁の多くは腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁であり, 特に腹圧性尿失禁は頻度が高く, 普段の生活行動に制約を受ける女性が多い. しかし, 女性尿失禁患者の医療機関への受診率はまだ低く, 潜在的な尿失禁患者数はかなり多いと考える. 今回, 女性の尿失禁について特に腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁を主に, 尿失禁の分類・鑑別診断・特殊検査 (パッドテスト・チェーンシストグラムなど) ・保存的治療 (骨盤底筋訓練・腟内コーン・薬物療法など) ・外科的治療 (ステーミー法など) について述べるとともに, 多くの方に尿失禁を正しく理解していただき, 尿失禁を有する女性の医療機関への受診率の向上を願う次第である.
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© 1996 順天堂医学会
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