順天堂医学
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特集 癌再発とターミナルケア
癌性疼痛管理
--ペインクリニックの立場より--
井関 雅子宮崎 東洋
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1996 年 42 巻 3 号 p. 327-336

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抄録

根治治療が期待できない癌患者に, 医療従事者が成しえることは, 種々の治療により, 残された生存期間のQuality of life (以下QOLと略) の向上をはかることではないだろうか. その際に癌性疼痛を有する患者では, まず身体的な疼痛を除去しなければQOLの維持や向上は望めない. 以前より当科ではそのような観点より, 通常の方法でコントロール不良の癌性疼痛に対し神経ブロックを中心とした治療を行ってきた1) . 今回はわれわれの治療が, QOLの向上にどの程度寄与しているかを今後の課題も含め症例を交え検討した. その結果, 全身状態も良好な早期より, 種々の除痛手段を持った医師が疼痛管理に携わり良好な疼痛コントロールを行うことにより, 大いにQOLの維持や向上につながることが示唆された.

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© 1996 順天堂医学会
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