順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
特集 癌再発とターミナルケア
ターミナル期にある患者のQOLを高める援助
--看護の視点から--
青木 きよ子
著者情報
キーワード: ターミナルケア, 看護, QOL
ジャーナル フリー

1996 年 42 巻 3 号 p. 337-341

詳細
抄録

ターミナル期にある患者の援助を考えるとき最も大切にしなければならないことは, 医療従事者の考えをcureからcareにギィアチェンジすることである. そして, 患者が人生の終焉である死をいかに安らかに迎えることができるかを考え援助しなければならない. ターミナルケアの看護においては, 患者が残された時間をその人らしく生活でき, 主観的な幸福感が高められるかの視点から, 生活に焦点をあて援助することが重要である. 最期までその人らしく生活できるために看護婦にとって必要とされる援助を以下に挙げる. 1) 症状のコントロールに最善を尽くす 2) 精神的に支える 3) 患者の日常生活上のニードを満たす4) 家族へのサポートをする 患者のQuality of Lifeを高めるためには, 以上の4つの援助をバランスよく実施し, さらに, ケア・コーディネーターの役割を積極的に担っていく必要がある. また, 一人一人の看護婦が自分自身の倫理感・生命感に基づいて, 人生最期の貴重な時間を過ごしている患者のQOLを高める援助について考えていくことが重要である.

著者関連情報
© 1996 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top