1996 年 42 巻 3 号 p. 342-348
1992年, 順天堂医院臨床検査部への自動-血球計算/白血球分類装置コールター-スタック-S (COULTER STKS) 導入を機に, 同装置による血球計測値に関して基準範囲の統計学的設定を行った. 本報では, 赤血球系計測値-赤血球球数 (RBC) ・ヘモグロビン量 (Hb) ・ヘマトクリット値 (Packed cell volume; PCV) ・平均赤血球容量 (MCV) ・平均赤血球ヘモグロビン容量 (MCH) ・平均赤血球ヘモグロビン濃度 (MCHC) ・赤血球サイズ分布幅 (RDW) -に関して検討した. 統計学的検討により得られた基準範囲は従来の参考値より若干の変化が認められた. またRDW等の新しい検査情報が提供されることとなり, 新たな指標として臨床での有効利用が望まれる.