順天堂医学
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特集 再興感染症 ―結核をめぐって―
抗酸菌検査法の進歩
小栗 豊子三澤 成毅猪狩 淳
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1999 年 44 巻 4 号 p. 359-371

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抄録

抗酸菌検査は臨床微生物検査の中で最も迅速化が望まれている検査である. 患者検体の塗抹鏡検は短時間で成績が得られるが, 材料中の菌数が104/ml以上でないと検出は難しい. 小川培地を用いた培養検査では2週-2ヵ月を必要とし, さらに薬剤感受性検査には3週間以上を要する. 従来の抗酸菌検査は臨床での有用性がほとんど期待できなかったが, 最近, 感度・正確性ともに優れた遺伝子検査が導入され, また, 培養や薬剤感受性検査にも液体培地を用いた自動検出装置が開発され, 国内での検討が進められている. これにより, 培養検査は1-2週で, 薬剤感受性検査は1週以内に成績が得られる. これらの新技術を含めた検査の特徴を述べ, また, 当検査室での抗酸菌検査の集計成績についても触れた.

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© 1999 順天堂医学会
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