順天堂医学
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第4回都民公開講座「気管支喘息:最新の治療とその背景」
長期管理ガイドラインに沿った成人喘息治療と自己管理
村松 正嗣
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2000 年 45 巻 4 号 p. 529-535

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抄録
気管支喘息が気道の慢性炎症性疾患としてその病態をとらえられるようになった最近の背景より, 抗炎症薬は現在その治療の中心に位置づけられるようになった. 抗喘息薬は長期管理のために継続的に使用する薬剤としての長期管理薬 (コントローラー) と喘息発作治療のために短期的に使用する薬剤としての発作治療薬 (レリーバー) の2種類に大別されている. 長期管理薬の第一選択薬は, 強力な抗炎症作用を持ち全身的副作用の少ない吸入ステロイド薬である. わが国の喘息治療ガイドラインでは重症度にあわせ吸入ステロイド量を増減することを基本コンセプトとしており, 状況により気管支拡張薬や抗アレルギー薬の併用を勧めている. また急性悪化時の短期ステロイド内服は治療の成功には不可欠のテクニックである. さらに自覚症状のみに頼らずピークフローモニタリングを中心とした自己管理を的確に行うことを患者に徹底させることで, より安全で速やかな喘息のコントロールが可能になる.
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© 2000 順天堂医学会
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