順天堂医学
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特集 病院におけるリスクマネジメント(医療安全対策)の取り組み
大学病院のリスクマネジメント体制確立における問題点
今井 壽正
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2002 年 47 巻 4 号 p. 439-443

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抄録

順天堂医院におけるリスクマネジメント体制の立ち上げに携わった経験から, 体制の確立には, 幾つかの必要な前提条件が指摘できる. (1) 病院トップ (院長) の主導のもとに行う, (2) 医師が重い腰を上げる, (3) 院内多職種間の意見交換・意思の疎通が行われる, (4) 自由な意見・討論の環境が形成される, などである. その上で, 院長補佐をGeneral Risk Manager (GRM) とし, 医療安全管理委員会を設置し, 院内報告制度を整備し, 院内の各局面・職域で現状を再点検する業務改善運動の一環として機能させて行く. さらに医療リスクマネジメントを実効あるものにするため, GRMを長とする医療安全委員会と院長を長とする事故調査委員会の, 役割の分担と俊敏な連動が求められる.

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© 2002 順天堂医学会
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