順天堂医学
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症例報告
卵円孔開存からの高周波カテーテルアブレーションが可能であった潜在性WPW症候群の一例
飯田 洋司中里 祐二佐々木 玲聡河野 安伸峰田 自章中里 馨戸叶 隆司安田 正之住吉 正孝中田 八洲郎代田 浩之
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2003 年 49 巻 2 号 p. 222-225

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抄録

症例は52歳女性. 発作性上室頻拍による動悸発作を繰り返すため, 高周波カテーテルアブレーション治療目的で入院. 電気生理学検査のための右心カテーテル操作中, 卵円孔開存が確認された. 右心室からのペーシングにて左室側壁に心房最早期興奮部位を認め, 同部に逆行性伝導のみ可能な副伝導路を有する潜在性WPW症候群と診断した. また心室早期刺激法にて容易に正方向性房室リエントリー性頻拍が誘発された. アブレーションカテーテルを経心房中隔的に卵円孔から左房内に挿入し, 左房付着端で副伝導路の焼灼離断に成功した. 左側副伝導路アブレーションに際し, 術前の心臓超音波検査や電気生理検査により卵円孔開存が確認された場合, 経心房中隔アプローチによるアブレーションを積極的に試みるべきと考えられた.

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© 2003 順天堂医学会
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